1.構造パネルを使用する
構図パネルは、BricsCAD上で現在開いている図面ファイルのデータをツリーの構造として表示する事ができます。
構造パネルでは、構造ツリーの表示を切り替えて使えますが、Default のツリーでは、レイヤーを主体とした形で図形が表示されます。
Default のレイヤー➔図形種類➔個々の図形、の順でのツリー表示。
構造パネルの、右上にある3点ボタンから表示を「mechanical」に切り替えると、表示のされ方が、「図形種類」➔「レイヤー」➔「個々の図形」の順に表示されるようになります。
Mechanicalに切り替えた表示状態
図形の種類をベースに選択したい場合は、mechanical に切り替えてあげるとサクッと選びやすくなります。Windowsのエクスプローラと同様な感覚で、CTRLキーやSHIFTキーを押しながら選択することで、複数の項目を指定でき、項目が決まったら右クリックのポップアップメニューで「選択」をクリックすることで選択が確定します。
ちなみに、ポップアップメニューの中にある「表示」、「非表示」「選択表示」は、レイヤーのON/OFF設定によらずに図形の表示を変えたいときに利用できる機能です。
初期値だとBricsCADの上部に配置されさているアクセスツールバーの下のアイコンの機能と同じです。
2.クイック選択を使用する
クイック選択は、プロパティパネル上で条件を指定して選択する方法で,
プロパティパネルの右上にあるクイックアクセスアイコンを実行すると、プロパティパネルが「クイック選択モード」の表示になります。
クイックアクセスアイコン
特定の図形種類を選択したい場合は、上部の図形タイプのプルダウンから図面内にある図形の種類を選択します。
図形タイプの横にある数は、その図形の数を表しています。
各項目で、"*" 部分をクリックすると演算子が表示され条件を入力できます。
イメージは、線分で長さのプロパティを指示している状態
「850mm より小さいか、等しい」の条件を指定した場合
条件を設定したら「カレントの選択セットに追加」オプションをオンにして追加ボタンをクリックすると条件にあった図形が現在の選択セットに追加されます。
「850mm より小さいか、等しい」図形が選択されています。
3.選択コマンドを使用する
図形の選択は、窓選択や交差選択をコマンド中に行う事が多いので、選択コマンド(_SELECT)単独で利用されることは多くないかもしれませんが、単独のコマンドとしても利用することができます。
出来る内容は、クイック選択と似ています。
選択コマンドには、多様なオプションがあり、選択の方法をコントロールできます。
選択コマンドのオプション
実に26個のオプションがあります。
図形の種類で選択する場合、オプションの中ある プロパティ(PRO) から、図形のプロパティによって選択することができます。
プロパティオプションで指定できるプロパティの内容
この中の種類(TY)オプションで図形の種類を指定できます。
TYオプションで指定できる図形の種類
選択した図形種類を指定できます。
このとき、ワイルドカードとしてアスタリスクが使用できるので、たとえば"*LINE" を入力すると、線分、ポリライン、スプライン、構築線、マルチラインと〇〇LINEの種類が選択できたりします。
また、"LWPOLYLINE,HATCH" といったカンマ区切りの入力で複数の図形種類を指示することが可能です。
4.LISP を使用する
LISP を使用する方法は、プログラムのコードを書くのでちょっと難しいですが、クイック選択で行えるような条件を指示することが出来ます。
最近では、ChatGPT などの AI にプログラムの流れを指示すると BricsCAD用の LISPコードをある程度まで作成できるようになっていたりしますので、試してみてもいいんじゃないかと思います。
例えば「半径100から150の範囲でHOLE画層にある円」とか、「文字の位置合わせが"フィット"になっている高さ15以上の文字」とかいった具合です。
半径100から150の範囲でHOLE画層にある円を選択するコードの例
ssget 関数で図形のデータ構造からフィルター条件を色々と指示できます
ssget のフィルタで指定する内容はDXFデータの番号を利用します。
BricsCAD の LISP開発環境である BLADE の LISPエディタには、図形のデータ構造を確認することのできる 「LISPデータインスペクタ」の機能も備わっているので、こちらで確認する事ができます。
BLADE のメニュー「Lisp+DCL」の「Dwgデータベース」から
「選択項目を参照」で選択した図形の細かな内容を確認できます。
円図形のデータ内容DXFデータの方でプロパティの番号がわかります。
上の例では、変数 ss に選択セットが記憶されるので、
コマンド実行時の選択ステップで !ss と入力して利用できます。
以上、特定の図形を素早く選択する方法について色々と解説しました