要約

「JWtoPDF Professional」は、日本国内でよく利用されている Jw_cad の JWWファイルを精度・品質を保ったまま PDF化できるツールです。
BricsCAD と連携した動作に対応したことで、JWW図面ファイルを出力イメージのままに PDF 経由で簡単に BricsCAD へ取り込みできます。

紹介するBricsCAD アプリと中の人

アプリ名: 「JWtoPDF Professional」

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アプリの内容と特徴

今回は、株式会社マイクロアーツ さんの「JWtoPDF Professional」をインタビューさせていただきます。

1749589838-u5XldvqBJ6NG8IPCQKES20YV (1)JWtoPDF Professional インターフェース

日本特有の事情となる Jw_cad データの対応について、ファイル変換ツールを使って対応というのが常道ですが、手軽さや効率化の面でより簡単な方法がないものだろうかと感じていました。

Jw_cad データを作成される側の方にもメリットがある点で、マイクロアーツさんの「JWtoPDF Professional」(以降、JWtoPDF)が有用ではないかということで、マイクロアーツの千葉氏には、私の方から声をかけさせていただきました。今日はよろしくお願いします。

千葉氏: よろしくお願いします。

中の人: ご連絡させていただいた際、BricsCAD の事をご存知でしたがどれくらい前から知っていただいていたのでしょうか?

千葉氏: ユーザさんからの紹介で 6,7年前から使い始めていた。図面作成の仕事もしているので、BricsCAD ユーザでもあります。

中の人: そうなんですね。実際にご利用いただいてもいるということで、ユーザとしてのご利用も今後ともお願いします。

今回は、「JWtoPDF Professional」についてですが、 Jw_cad はインストール不要とのことで、データの確認は JWtoPDF の中で行えるようになっていますよね?レイヤー表示の切り替えなども行えるんですか?

千葉氏: はい、レイヤー表示もできますので、 Jw_cad で開く必要はないです。

1749590771-cWlMFdI45sAPhSxUVEpiDwKOCADのレイヤー設定

中の人: ビューアーを備えているので、セキュリティ的に無料ツールのインストールが許可されていない組織さんでも利用できそうですね。BricsCADの対応バージョンについてですが、利用は BricsCAD Lite から対応しているということで良いでしょうか?

千葉氏: 現時点で Pro で確認していますが、開発の方で外部から BricsCAD Lite を認識する方法が分かれば対応可能だと思います。
(備考:取材後に、動作することが確認されたとのこと。)

中の人: JWtoPDF で取られている BricsCAD 外からソフトを認識する手法だと同じ方法で行けると思いますので、そこはあとで相談しましょう。

千葉氏: はい、開発者に伝えてみます。

中の人: JWtoPDF のこだわりポイントとして提示いただいた中で、通常よくとられる、PDFプリンタから Jw_cad データをPDF に出力した方法と比べて、特に線種やレイヤーが変わらず、文字の見た目なども精度良くPDFへ変換できる点はデータ交換用途としては重宝するだろうと感じました。
このあたりはやはりユーザさんからの評判もいいですか?



JWtoPDF Professional のこだわりポイント

1.JWWデータの座標精度をそのままPDF化
2.線の太さを忠実に再現
3.線のパターンを忠実に再現
4.レイヤの再現
5.文字化けや位置ずれが発生しません
6.特殊文字の扱い
7.簡単インストールとシームレス連携

千葉氏: それもありますが、「図面らしく出る」ところを評価していただいていると感じています。JWtoPDF では、見たままの状態で PDF に変換できますが、点線の再現などは他の PDF 変換ツールではなかなか対応できない部分だと思います。

1749520120-K1POEng47sTbpAQcG8DqHefj元のJWWファイル

1749520138-7DQteWxO2Fj1KYCbuy0XLdJgJWtoPDF経由でBricsCADに読み込み

中の人: なるほど、設計者の感覚として重要なところですね。期待するデータをデータ変換などのツールで作ろうとすると、設定の調整が面倒ですがそれがなくなるのはポイントですね。
Jw_cad というと建築設計向けというイメージがありますが、JWtoPDF のユーザさんは自治体さんや設計事務所さんが多いのでしょうか?

千葉氏: オンラインで販売していたりするので完全には把握していない部分もありますが、建設会社さんで数百本ご利用いただいているところもあります。ユーザ層も市や都道府県などの自治体や、意外なところでは、病院、スーパーマーケット、学校などもあり、幅広く利用していただいています。

中の人: スーパーマーケットは意外ですね。店舗の什器レイアウトとかで使っているのかもしれないですね。JWtoPDF の販売についてですがオンラインでの販売がメインですか?

千葉氏: amazon や Vecror(PCソフトの販売サイト)などオンラインでの販売が多いですが、自社で直販もしていてダウンロード版はメールアドレスだけ登録すれば購入できます。

中の人: JWtoPDF はツールとしてはシンプルな製品になると思いますが、使い方を覚えたら質問することは無くなっていきそうですよね。
問い合わせなどのサポート対応はどの様になっているのでしょうか?

千葉氏: 質問は意外と多く来ます。20年近く前から作っているので、年配の方からの問い合わせも多いです。JWtoPDF 以外の CAD の操作などについても、聞かれることがありますね。そこは分かる範囲で対応しています。

中の人: 対応リソースが足りなくなると大変そうですが、ユーザーさんには嬉しい対応ですね。Bricsys のアプリカタログからアプリに対する問い合わせも受け付け出来るのですが、そちらからだと BricsCAD のサポートリクエストの仕組みを使えるようになります。

BricsCAD で JWtoPDF を ご利用いただくユーザさんは、問い合わせのエスカレーションで BricsCAD とアプリとの問題の切り分けをシームレスに行えますのでうまく活用していただくと良いかもしれません。

千葉氏: そうなんですね。それはいいかもしれません。

中の人: BricsCAD に対応するに当たって、PDFの読み込み性能など、なにか気付いた点などはありましたか?

千葉氏: 変換時に通常のCAD操作では問題なかったインチとミリの対応がうまく出来ていなかったり、日本語のレイヤー名が API からだと文字化けする問題などの問題が出ることがありました。

サポートリクエストから問い合わせをしましたが、V25では修正されていましたので、結構アップデートで直しているんだなと感心しました。

1749534296-Vlew63yqDQP9hjdKbZC7cHgWJw_cad 上の文字

1749534308-8jPya3M9d6pQkFNrHBZDSv7tJWtoPDF から BricsCAD に転送した状態
文字の位置も完璧に再現されています。

中の人: そうすると、JWtoPDF は BricsCAD V25で使っていただくのが良さそうですね。BricsCAD は大体3ヶ月に1度程度のペースでアップデートを提供しています。報告が上がってきた問題は再現が取れて原因がはっきりしたものはこれまでも割と早く改修されてきていると思います。

千葉氏: うちも開発者が近くにいるので、問い合わせで出た機能強化や不具合にすぐに対応できるので良いところですね。

中の人: BricsCAD の PDF読み込みについて、以前、「Q. BricsCADでJWWファイルを開けますか?」という記事を掲載したのですが、一般的な PDFファイルを BricsCAD で読み込むでは、文字と図形、画像をレイヤー分けして読み込みするので、ある程度整理された状態で利用できます。

そこに加えて JWtoPDF で作成された PDF のように、レイヤー情報がある PDF はそれを認識して読み込むので、データ活用としてはより便利に使えると考えています。

千葉氏: はい。JWtoPDF で変換すると JWCAD のレイヤー構成が PDFのレイヤーに再現できるので、BricsCAD と連携には便利です。JWtoPDF LE という製品では Jw_cad のレイヤー再現はされませんが、費用的には安くなるので要望に応じて選んでいただけます。

中の人: 変換精度についてですが、通常 CAD から PDFファイルに出力すると正確に書かれたものでも、細かな端数が出ることが多いですが、JWtoPDF ではその点を考慮されているとありました。
これはどういった内容になるのでしょうか?

千葉氏: 普通に PDF に出力すると、小数点1,2桁の精度で誤差が生まれますが、JWtoPDF では、Jw_cad の精度を維持して変換するようになっています。

中の人: Jw_cad ユーザさんが描かれる図面は、端点や接点の細かなズレなどが見受けられるのではないかと思います。精度がいいということは、逆にそういった部分はそのまま変換されるということでしょうか。

千葉氏: 最初から Jw_cad だけで作図された図面ですと、精度良く描かれている事が多いのですが、いろいろなところからデータを持ってきたりするとズレていることがあります。JWtoPDF では、 Jw_cad の精度を維持して変換されますので、 Jw_cad 上でズレているとそのままズレた形で変換されます。

中の人: なるほど、そのような図面を BricsCAD で読み込んだ場合、作業の問題になることがでてきそうですね。BricsCAD に細かな傾き補正や、端点が繋がっていない空きを閉じてくれたりする「最適化」(OPTIMIZE)の機能があるので、BricsCAD に精度良く取り込んだ状態で、元からあった不正確な部分を最適化機能で一括修正するという流れで対処すると、データの質を上げながら使えると思います。

千葉氏: そうなんですか、それは便利そうです。

中の人: JWtoPDF のアップデートはどれ位のサイクルやっているのでしょうか?

千葉氏: 不具合修正はコンスタントにやっています。現在次バージョンを開発中なのですが、機能面で大きな更新があり PDF にリンクが設定出来るようになります。図面間のリンクはもちろん、カタログイメージや仕上表のエクセルファイルなどと、リンクしやすくなります。

中の人: なるほど、それは便利になりそうですね。BricsCAD の PDF 読み込みでリンクも取り込めたかな?あとで確認してみて、未対応だったら要望を出してみても良いポイントかもしれませんね。

千葉氏: 実はライセンスの仕組みもアップデートしてサブスク版を提供しようとしています、それの開発状況次第ですが、2025年内には新しいバージョンを提供したいと考えています。

中の人: サブスクは課金のシステムとの連携などで大変な部分があると思いますが、順調に開発が進むと良いですね。JWCAD データを変換する際に、複数ページのPDF変換してそれを一括でBricsCADに転送することは出来ますでしょうか?

千葉氏: 複数ページをPDFに変換することが出来ますが、CADへの転送は出来てないです。そのような使い方をしたいものでしょうか?

中の人: 実はモデル空間に複数の図面データを並べて作業する使い方をされている方は結構いらっしゃいます。つい先日も海外で PDF を一括で読み込めないかという話題がでていまして、海外でもその使い方やる人いるんだと思ったりしました。

千葉氏: そうなんですか、そうであれば対応してもいいかもしれないですね。

中の人: 是非検討してみて下さい。個人的にPDFのマルチシート読み込み機能を開発しているので、あとで情報を共有しますね。
最後に、今後の BricsCAD に期待することはありますか?

千葉氏: うちは PDF の処理が得意なので、そちらのカスタマイズに関連するところで関わっていければと思います。

中の人: 蛇足ですが、PDFtoJWW のようなツールを開発する予定はあったりしますか?

千葉氏: そこは、JWCAD に戻すのではなく BricsCAD で CADデータ化したほうが良いと考えています。

中の人: ありがとうございます。 .jww と .dwg ファイルは、根本的に考え方が異なる部分でどうしても吸収しきれない差異が出てしまいます。既存の変換ツールはその点をうまく隠す形で変換する流れで処理されていると思いますが、無理がある分設定が煩雑だったりして思ったような結果を出すのに手間がかかる事も多いです。

.jww ファイルを BricsCAD へ取り込みする際に PDF を仲介した流れを AI機能と組み合わせて使うことで、無駄な労力をかけずに簡単に精度良くデータを変換出来るのは、他のクローズな CADデータからの移行にも応用できる最適解じゃないかなと思います。

千葉氏: そこに役立てられるなら良かったです。

中の人: 今回は JWtoPDF Professional についてですが、他にも似た用途の製品を提供されていますよね。

千葉氏: はい、買い切りの JWtoPDF Professional の他に、1年利用の JWtoPDF LE、あとはサーバーで動作する製品などもありますので、用途に応じて選択していただけたらと思います。

中の人: 新しいバージョンで、ライセンスの選択肢も広がるという事で、開発がうまく進む事を願っています。本日はありがとうございました。

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Hiroki Sugihara - Solution Consultant

デジタルなものづくりに引き寄せられて CAD&CG の世界に入った Hiroki Sugihara は、長年 CAD、WEB、DTP など幅広い経験を持っています。Lisp プログラムでもあり建築、設備系のアプリケーション開発での知見や、長い DWG系CADの業界経験を活かして BricsCAD の導入を支援するため Bricsys Japan の立ち上げメンバーとして活動しています。